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2016年4月27日水曜日

同時通訳で使うヘッドホン(イヤホン)について 続編

ご無沙汰しています。

今年のはじめに同通で使うイヤホンについて、ヘッドホンを使っているがカナル型のイヤホンを購入したという話をしました(こちら)。

続編として今回は後日談をご紹介したいと思います。

慣れるのに時間がかかりそうでしたので、カナル型のイヤホンが自分にとって使いやすいかどうか検証すべく、しばらく使ってみたのですが、結果、どうなったかというと、カナル型(Sennheiser )はほとんど使っていません(苦笑)。

前述したオーバーヘッド型をまだ使っています。

ですが、オーバーヘッド型でも実は種類が若干増えまして、今は JVC と MONOPRICE の二種類を案件(環境)に合わせて使い分けています。







でも「もっとも手軽で使いやすいのは?」というと、ダークホース登場(下の写真)。


おそらくご存知だとおもいますが、Appleの新しいほうの標準イヤホン — EarPods 。じつは、これが使いやすさにおいては全然悪くない。

例のカナル型のイヤホン、値段がしただけあって音質などは申し分ないのですが、やっぱり耳に引っかけづらいんですよね。

ワイヤーが耳から下に垂れるのではなく、耳の上から耳の裏側に沿って下げてくるタイプなので、付け外しが素早くできない…。

「同通で使う」というのは、移動中に音楽を聴くのとは違い、繰り返し付け外ししますから、その動作の容易さも重要になります。

長時間あるいは連日にわたり聴覚を集中的に使用するので、負担がかからず、疲れにくいものであるかも大切なポイント。

重低音とかダイナミックレンジとか、はたまた移動中の密閉性(音漏れの迷惑問題)などはあまり関係がありません。

交通機関など公共の場ではなく、同時通訳は隔離されたブースで行われますし、美しい音質よりも聞き取りやすい音質(つまり雑音がなくクリアな話者の声)を求めるからです。

用途が違うという意味では、マイクに特長の違う種類があるのと似ています。

音ならなんでもかんでも拾おうとする収音角度が広いマイクと、収音角度が狭く歌声などを拾うのに適したマイクなど、いくつかのタイプがありますよね。

音楽を楽しむために使うわけではないので、むしろ通訳をする対象スピーカーの声だけを拾ってくれるイヤホンがあったら理想的と思えるくらいです。

つまり、話し声だけ拾い上げてくれるもの(そんなものがあればですが)、さらにノイズを遮断してくれるとか、疲れにくい形状をしているとか。

しなやかで壊れにくい、軽くて持ち運びやすい、意外なところでは「掃除しやすい」といったこともポイントになるとおもいます。

Appleの新しいタイプ、はっきり言ってAppleの古いタイプ(EarBuds)がスカスカで、仕事でつかえる代物ではなかったので期待していませんでした。

ところが、この新タイプのAppleの標準イヤホンは装着感がよく、それでいて外しやすい。

なので、片耳だけにしたいときも便利 — 同通の仕事中、自分の番でないときは、私は片耳だけにしてスピーカーとブースパートナーの両方を聴いていることが多いので。

さらに、こちらは軽いので持ち運びに便利で、コンパクトなのでかさばらない。
万が一、失くしたり壊したりしても、高くないので気が楽です。

それにしてもAppleのEarPodsとは。まったく期待していなかったので、自分でもかなり意外でした。
ひとつ難点を挙げるとすれば、iPhoneならiPhoneなどデバイス間で共有して使う分には問題がないのかもわかりませんが、録音に使うような機材・機器につないで使ったあと、iPhoneなどで使おうと思うと、接触が悪くなるようで片耳しか音が聞こえなくなってしまったりします。


また、音が二か所から出るので、ボイスオーバーで、元の音を聴きながら録音するときは便利です。

耳の中に深く挿し込まずに、ささやかに音を聞きながら、つまり片耳に当てるようにしながらかざすように持つ。二か所から音が出るので、そのうちの一つ(平らなほう)を塞ぐとちょうどいい効果が得られます。

一つ難点があるとしたら、iPhoneやiPadといったアップル製品以外に使うと、iPhoneにつなぎなおした時に接触が不安定になることがあること。

ステレオを音楽を聴くだけでなくTVにつないだりすると不安定になるトラブルと似ています。

それでも、いくつかのブース用同通コンソールで使用してみましたが、接触不良はありませんでした。私個人の経験ですが、あくまでiPhoneに戻した時に起こる問題のようです。

ちなみに、耳から少し離れていると、高感度の録音用マイクがイヤホンからの音を拾ってしまうことがあるので、そこは注意が必要です。

調べによると、Appleでは骨伝導技術を使ったワイヤレスのヘッドホンを開発中だとか。Bluetooth対応らしいですね。

ノイズキャンセリングにもこだわったものとのことで、発売が期待されますが、ワイヤレスでは同通のコンソールでは使えなさそうですね…。Wiredバージョンもあったらいいかも。

というわけで、個人的に、これまでに挙げた三つの中では、やはりオーバーヘッドタイプが耳の負担が一番少なく疲れにくい気がします。

ただ、長時間だと頭が痛くなるし、持ち運びではかさばるので、会場の中などサッと荷物をまとめて移動したい時にはイヤホンのほうが身軽で良い。

書類、カバン、ヘッドホン、メガネに水(ペットボトル)を一緒に抱えようとして、雪崩のように床の上に崩れる…ということにもなりかねませんから。

3人体制のときなど、素早く席を換わる必要があるときにも、身軽なイヤホンのほうがスマートかもしれません。



2015年5月2日土曜日

ルクセンブルク -欧州連合司法裁判所 報告 その2Luxembourg European Court of Justice Report Part.2



欧州裁判所の入り口。
今日はEuropean Court of Justice の見学の日!ドイツ語の通訳をしている子とイタリア語の通訳をしている子とパチリ。わくわく‼︎
In front of the entrance to the European Court of Justice. With German and Italian interpreters. So excited!!!




欧州連合司法裁判所(Court of Justice of European Union)の一番大きな法廷。通訳ブースがなんと24もある‼対応言語が23あって、いつでもそれら全部の通訳があるわけではないとのことです。裁判所というより「劇場」みたい
The largest court in the ECJ. There are 24 booths ("cabins") there, to accommodate 23 languages - how awesome!! It felt like a theatre(=exciting) than a court(=boring) ;-D

 



通訳ブースからの眺め。こんな広いブース初めて見た。3人掛け‼"slow down" ボタン 押してみたい‼ちゃんとみなさんいうこと聞いてくれるのかしら⁉️ この違い…あまりの扱いの違いに、知らなかったほうがよかったのか⁉️と思ってしまうほど。知ってしまった以上、知らなかった自分には戻れない❗️
I wish, seriously I wish I could and can one day work in such a booth and use this "slow down" button. I'd love to see how the clients respond.  I don't mean to experiment with it, but I'd love to see how they would interact with it. 

I find truly fascinating the level of awareness in such institutions - so advanced, how well 'educated' about interpreting. It shows how vital it is, how much it is appreciated in the 'community'. People ensure it is done properly and with respect. 

と、こう書くと、通訳や翻訳という仕事において、大陸欧州とそれ以外の地域ではいかに違いがあるか、思い知らされます。望むと望まざるとに関わらず、「何なのこの認識の差は⁉️」と。翻訳と通訳という言葉が混同されることは、日本(語)ではないけれど、英語(外国語)ができれば翻訳も通訳もで来ると思われているあたりは、意識の低さ、認識の低さでは依然嘆かわしいと思いますし、英語圏ではよくあるtranslation と interpreting の混同も、まず使い分けている人は、同業者を除くと「いない」と言っても言い過ぎではないほど。

Interpreting と Interpretation はどちらでもいいわけではなく、厳密に言うと、欧州では 通訳(すること)は interpreting を使い、interpretation=解釈 とは使い分けられているんですけどね。

とにかく、この辺の違いはどうでもいい人が多いなかで仕事をすることが多い私にとって、こんなにも大事にされている、優遇されている環境・設備を目にしたのは初めて。各同通ブースの広いこと!さすがは同時通訳を生んだ欧州。
そして、ここまで来るには、理解を推し進めてきた通訳者たちの多面的な努力があったのだと感じずにはいられませんでした。
Now that I put in words as above, it goes to show that is not what happens in less appreciated settings. I'm sorry to say but that's far more prevalent, largely in less multilingual regions. It is hard to get across the idea that translation is different from interpreting to start with, where people do not care about these differences thinking "whatever, just translate, will you?" 

I couldn't help thinking there must have been a tremendous amount of effort by both non-interpreters and interpreters to bring both parties together. Making their partnership work, over the years before this beautiful working environment could happen. 

I could feel something certain, in air, that Europe being the birth place, the genesis of simultaneous interpreting. Bravo!!

2015年2月20日金曜日

同時通訳用ヘッドホン-どのタイプを使っていますか?


同通ブースで使うヘッドホンですが、どういうタイプのものを使っていますか?

私はこれまでおもにオーバヘッドタイプ(写真左)を使ってきましたが、数ヶ月前にカナル型のSennheiserのもの(写真右)を購入しました。が(!) 結局オーバヘッドのをずっと使ってまして…。

なぜかというと、カナル型のイヤフォンは密着性が高くて外からのノイズが遮断される。

それはとっても素晴らしい(!!)のですが、耳に引っ掛けるパーツが少々うっとうしい。

また、耳の内側から聞こえる自分の声がオーバヘッドよりも大きい気がして、ためらっております。

オーバヘッドのほうはイヤフォンより物理的に大きいので、持ち歩きの時に少々かさばります。

その点、イヤフォンのほうが持ち運びはラクです。壊す心配も少ない。

カナル型のほうは値段が結構張ったということもあり、期待値が高かった。易々と諦めたくもなかったわけです。

ところが、密着度を調整するゴムのパーツは4セットあるし、さらにひっかけるパーツもある(下の写真参照)。

早い話が、盛りだくさん過ぎてどういう組み合わせがいいのか、迷いました。

いつもより自分の声のボリュームを抑えてやってみても、やっぱり自分の声が聞こえて邪魔になる…。

家に帰ってきてあらためて両方使い比べてみました。同時通訳をして、比べてみたところ、カナル型のほうがやっぱりオーバヘッドよりも元音声がしっかり聞こえる!

私は片耳を外すのではなく、片耳を少しだけずらして、ほぼ両耳で聞いて通訳するスタイルを取っています。

両耳から聞きながら訳すのであれば、慣れたら=使いこなせたらカナル型のほうがやっぱり向いているかもしれない、と感じました。

でも、ボイスオーバーの時はこれからもやっぱりオーバーヘッドでしょうね。作業内容・質が基本的に違うので。

 

オーバーヘッドのヘッドフォンを選ぶとき、気をつけていることが2つあります。

上の2枚の写真を見てもらえばわかりますが、1つ目は長さ(高さ)調節をするパーツが金属であること、2つ目は耳宛て部分との結合部分が「蝶つがい」のようにフレキシブルな構造になっていること。

この2点がカバーできていないと折れたり、ひん曲がったりして壊れやすいんですよね…。調節部がプラスチックのものが意外と多いのです。

 

もうひとつ、ヘッドホンでも、イヤホンでも持ち運ぶとき、気をつけているのが、上の写真のジャック。ブースでの同通の仕事では、同通のコンソールの種類にいろいろあって、ジャックが小さいときと大きいときとあるんです。これが現場に行って確認するまでわかりません。

写真のジャックは大きいジャックに対するアダプター。通常の小さいジャックを下のほうに指して、さらにシステムのほうに接続するためのものですが、持っていると便利です。

通訳が使うヘッドホン、イヤフォンについてはこのページで詳しく書いてくれている通訳さんがいて助かりました。カナル型を買おうかどうしようか迷っていたとき、参考にさせてもらいました。

他の通訳さんはどのタイプを使っているのか、何を基準に選んだのか、興味があります。

「ヘッドフォンをどういうのがいいのかな」と考えている通訳のタマゴさんや、英語勉強中の人などがいるかもしれないな、と思い書きました。