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2015年2月20日金曜日

同時通訳用ヘッドホン-どのタイプを使っていますか?


同通ブースで使うヘッドホンですが、どういうタイプのものを使っていますか?

私はこれまでおもにオーバヘッドタイプ(写真左)を使ってきましたが、数ヶ月前にカナル型のSennheiserのもの(写真右)を購入しました。が(!) 結局オーバヘッドのをずっと使ってまして…。

なぜかというと、カナル型のイヤフォンは密着性が高くて外からのノイズが遮断される。

それはとっても素晴らしい(!!)のですが、耳に引っ掛けるパーツが少々うっとうしい。

また、耳の内側から聞こえる自分の声がオーバヘッドよりも大きい気がして、ためらっております。

オーバヘッドのほうはイヤフォンより物理的に大きいので、持ち歩きの時に少々かさばります。

その点、イヤフォンのほうが持ち運びはラクです。壊す心配も少ない。

カナル型のほうは値段が結構張ったということもあり、期待値が高かった。易々と諦めたくもなかったわけです。

ところが、密着度を調整するゴムのパーツは4セットあるし、さらにひっかけるパーツもある(下の写真参照)。

早い話が、盛りだくさん過ぎてどういう組み合わせがいいのか、迷いました。

いつもより自分の声のボリュームを抑えてやってみても、やっぱり自分の声が聞こえて邪魔になる…。

家に帰ってきてあらためて両方使い比べてみました。同時通訳をして、比べてみたところ、カナル型のほうがやっぱりオーバヘッドよりも元音声がしっかり聞こえる!

私は片耳を外すのではなく、片耳を少しだけずらして、ほぼ両耳で聞いて通訳するスタイルを取っています。

両耳から聞きながら訳すのであれば、慣れたら=使いこなせたらカナル型のほうがやっぱり向いているかもしれない、と感じました。

でも、ボイスオーバーの時はこれからもやっぱりオーバーヘッドでしょうね。作業内容・質が基本的に違うので。

 

オーバーヘッドのヘッドフォンを選ぶとき、気をつけていることが2つあります。

上の2枚の写真を見てもらえばわかりますが、1つ目は長さ(高さ)調節をするパーツが金属であること、2つ目は耳宛て部分との結合部分が「蝶つがい」のようにフレキシブルな構造になっていること。

この2点がカバーできていないと折れたり、ひん曲がったりして壊れやすいんですよね…。調節部がプラスチックのものが意外と多いのです。

 

もうひとつ、ヘッドホンでも、イヤホンでも持ち運ぶとき、気をつけているのが、上の写真のジャック。ブースでの同通の仕事では、同通のコンソールの種類にいろいろあって、ジャックが小さいときと大きいときとあるんです。これが現場に行って確認するまでわかりません。

写真のジャックは大きいジャックに対するアダプター。通常の小さいジャックを下のほうに指して、さらにシステムのほうに接続するためのものですが、持っていると便利です。

通訳が使うヘッドホン、イヤフォンについてはこのページで詳しく書いてくれている通訳さんがいて助かりました。カナル型を買おうかどうしようか迷っていたとき、参考にさせてもらいました。

他の通訳さんはどのタイプを使っているのか、何を基準に選んだのか、興味があります。

「ヘッドフォンをどういうのがいいのかな」と考えている通訳のタマゴさんや、英語勉強中の人などがいるかもしれないな、と思い書きました。


2015年2月16日月曜日

英語の発音 "TH" - The, That...


『グリース』という映画を知っていますか? 

「え゛何それ」とおっしゃる方は参考までにこちらをご覧ください。

1978年の映画ですから、35年以上前(!!)になりますね。その頃は(残念ながら)生まれてはいたものの、英語の「え」の字も知らなかった頃ですから、リアルタイムで観られてはいないのですが、この映画の中の歌に "You're the one that I want" というのがあります。

このタイトルの部分がサビに出てくるんですが、これが早くて言いにくいw
しかもTHが二箇所出てきて、余計に難しい。。この部分がすらすらーっといえる=歌えるようになったら、かなーりTHの発音がうまくなってると思います。
THは有声音と無声音の二つがあって、いずれも、上の歯と下の歯の間に舌を挟みながらも空気を通す音なので、その点に気をつけてくださいね。

それにしても、この頃のオリビアニュ-トンジョンの足の細いこと!このパンツ、自分ひとりで脱げないよね(苦笑)ジョントラボルタも細かったなぁ(かなり厳しくダイエットしたらしいけど・・・)

というわけで、今日は早口のTHが登場する英語の歌のお話でした。


2015年2月3日火曜日

母音の無声化 (キ・ク・シ・ス・チ・ツ・ピ・プ・ヒ・フ・シュ)


お待たせしました(誰も待ってないって!?!?)やっとブログの新記事です♪

新しい仕事を始めて、このところてんやわんやで、なかなかブログの更新ができませんでした。この新しい仕事の開始から、約3週間が過ぎました。なかなかやりがいがあります、イライラとフラストレーションが溜まることも少なくありませんが、声に出てしまうので、これも効果的にコントロールする術を身につけ、磨いていかないと・・・!!

今のところ、ドキュメンタリーのリポート素材に日本語音声を作成(翻訳)&載せる という内容なのですが、いろんな意味でチャレンジがあります。チャレンジがあるのは、概していいことですね!!(汗)

通訳や翻訳のお話だけではなく、ボイスオーバーの話も、追々少しずつご紹介していけたらと思っていましたが、さっそく今日は「無声化」について少しお話しようと思います。

「ムセイカって何?」とお思いの方はこちらを参考にしてくださいね。

日本にまだ住んでいたころ、すでに何年か前になりますが(苦笑)某テレビ局の「アナトレ」に通いました。入門から上級終了まで行きましたから、結構の期間だったとおもいます。とてもよい勉強になりました。直接的、間接的に仕事や普段の生活にも役に立っていると思います。

話を元に戻して、、、この無声化ですが、アクセント、鼻濁音とともに「声」の仕事をしている人なら避けては通れない重要なポイントです。一定のルールがあって、通常は母音は有声音(発音すると喉が震える)なのに、ルールが該当する場合には、特定の子音の後ろの母音が無声化(発音しても喉が震えない)するというもの。

このルールを詳しくここで記載することはやめておきますね。それだけでとても長くなりそうなので。。。ただ、タイトルに挙げた、「キ・ク・シ・ス・チ・ツ・ピ・プ・ヒ・フ・シュ」という10コの音が、場合により無声化する音なのです。その昔(その昔ぃ??)先生に「キクシスチツピプヒフシュと暗記してしまいなさい!」と教わったことを思い出しますw

日本語を正しく、美しく、発音する=広めること、つまり間違った音を広めないことは日ごろから心がけたいと思っているものの、口で言うほど簡単ではないのも事実ですよね。

「正しい」アクセント・・・ちなみに、ここで「正しい」と言っているのは、方言や訛りを否定しているわけでは決してありません。ここでは、無声化や鼻濁音になるべきルールに則ったアウトプットをする、そういう意味の「正しい」という話だと思ってください。

それで、このお仕事は、通訳のスキルと、アナトレで勉強したスキルの両方が生かせるチャンス!のはずが、無声化をするとうまく音が拾えないらしいのです。これは機械の調整の問題なので、いずれは解消するのでしょう。とりあえず、音が拾いづらくなるようなので、極力、無声化せず、サ行、カ行などで始まるセンテンスは、極端に強調して発音するようにしています。それくらいで、ちょうどいい、というか、やっと普通かなァ。

無声化せずに、全部ベタで発音するのはロボットみたいに平坦になってしまい、不自然。お世辞にもベストプラクティスとは言い難いのですが、反対に、オーバーにやりすぎると、(あるいはちょっと間違えて癖がついてしまうとー失礼!)「エレベーターのお○○さん」みたいな口調になってしまいますから、注意が必要です。

通訳や翻訳の仕事も奥が深いけれど、ボイスオーバーも奥が深い。興味がある方は、ボイスオーバーとかレポーターの練習(訓練?)も受けてみるといいと思いますよ。Transferable skills (転換できるスキル=使い回しが効く?技術)だったり、補完作用があるスキルだと思います。

ちなみに私が受けた「アナトレ」の詳細はこちら。発声練習や、滑舌練習、ニュース原稿の読み方以外に、自分の家のテレビでも見たことがあるスタジオを使ってシミュレーションをしたり、リポートや中継などの練習もやらせてもらいました。楽しかったですよ〜!

では、今日はこの辺で☆